【アーカイブ:旧ブログより】くじら職員に求めるスキル:2017年3月
くじら&こころねでは利用者さんの増に伴い新たに職員さんを募集しておりましたが、ハローワークに求人を出したら48時間で15件の応募をいただく → たまらず募集を締め切る、という事態になってしまいました。(このサイトに挙げるいとまもなかった。)
給与が高めなのと、資格不問、というのが応募ラッシュの一因かもしれませんが、いざ面接お会いしてみると介護福祉士さんも社会福祉士さんも多くいらっしゃって、また資格のない方にも大いに魅力を感じることがありました。
応募していただいた方々には、本当に感謝しております。これだけ悩ましい応募があれば、いずれ第2くじらをつくる日がきても人材確保はできそう!って思えるくらいでした。縁を持ちたい方が多かったです。ご希望に沿えなかった方たち、まっこと申し訳ないです。言う権利ないかもですが、不採用の決断は非常につらかったです、。
実は自分、ハローワークに求人を出すことにすんごく抵抗があります。
今回はやむなく出しましたが、できればもともと多少知っているひとが良かったのです。
理由は、自分が求めるくじら職員の要件が5つあって、それが30分の面接じゃわかるわけないからです。
30分じゃ、なにもできやしないわ。
その必須スキル5つを書くことで、週1ブログ更新をしなかったことをごまかしていこうと思います。
【くじら職員に求めるスキル必須5要件】
1.基本的に人に興味がある
そのひとが今までどういう人生を歩んできて、何に喜び何に傷つき、何を得て何を失ってきたのか。どういう経緯で困っているのか、困らせてしまうのか。
利用者さんの暮らしと活動をきちんとサポートしようにも、まずそのひとのこと、その周りのこと、環境や歴史をしらなければ、なんにもできません。
まず体調や状況の変化を察知して対応するためには、普段の平和モードのそのひと、不穏モードのそのひと、それぞれの傾向について知っておかねばなりません。
だからくじらの職員には、出会う人に対して「この人ってどんな人なんだろう」って興味を深めにもつ性質が欲しいです。
2.立場や役割がもたらす幻に染まりづらい
看守と囚人ごっこの実験を知ってますか?
(参考) スタンフォード監獄実験
人って立場や役割がもたらす幻にすごく染まりやすいんです。
サポートする側の福祉職と、サポートを受ける側の利用者さんとの関係にも、それぞれに立場と役割があります。
でも福祉職は利用者さんに対して「利用者より自分たち職員のほうがえらい」と思った瞬間にもう終わりです。ジ・エンド。即・福祉職を辞めるべきくらいに思います。
福祉職の業務には、もちろん導いたり止めたりする助言や行動はつきものです。でも「この人の今や将来のために必要だから、このポイントは制したり助言したりする、けど自分もこのひとも同じ人間、対等な存在だ。」という真実にスッと戻ってこれるひとであることがくじら職員の必須条件です。
3.話しかたがゆっくりで、わかりやすい
くじらは精神状態を穏やかに保って暮らしていくための場所です。
それぞれ利用者さんの障がいの原因や態様はひとりひとり異なりますが、くじらの利用者さんがほぼ共通して苦手としていることが、早口でまくしたてるように話しかけられることです。
考えをまとめるのが不得手になってしまっていたり、相手の言葉を理解するのに時間を要したり、自分の気持ちを文章として組み立てるのが苦手だったり。その性質じたいは悪いことじゃないのに、早口でまくしたてられるとそのせいでひどく悲しい思いをしたり、怒りを生んでしまったりします。
てか誰だって言葉のスピードや量で圧されるのは不快ですよね。
口調が穏やかかつ内容が分かりやすい人であることを求めています。
4.極端な免疫万能信者やオーガニック原理主義者でなく、かつ極端な投薬至上主義でない
くじらの利用者さんはなぜくじらに通っているのか、それは街の中でこころ穏やかに暮らし続けるためです。ひいてはそれがくじらの存在理由で、主たる目的です。
街の中で暮らし続けることを望むひとに、街の中で暮らし続けてもらうために、だったら使えるものはなんでも使っていくべきです。すなわち、生活療法と服薬加療を両方とも適切に用いていくこと、です。
まことに残念なのですが、ちっとも福祉サービス的な配慮も工夫もせずに、不穏状態になったらすぐ薬処方増量をせがむ系の福祉施設職員は、未だにすんごく多いです。
風邪で熱が続いてしまっている人に、医者に行って薬のんでるだけでいい、寝たり休んだりはしないで働きつづけろ。って言ってるようなもんです。
あったかい布団で寝て水分たんまり摂らないといくら服薬しても風邪は治りづらいのと一緒で、福祉サービスがそのひとの生活習慣を整えたりストレス軽減したりなど工夫しないとせっかくの医療の力が本領発揮できません。
翻って、やれ食事とオーガニック生活による免疫強化ですべての病は治るから薬は全部やめてコレとコレとコレを食べ続けろだとか、すげえ馬鹿馬鹿しいです。薬を排したせいでそのひとが望まない入院をすることになっても拘束されても、望まない行為で傷ついたり傷つけたりしても、原理主義者たちは責任をとらず眉唾なものの正当性を主張するばかりです。
医療の力で確実に軽減できる深刻な生きづらさから医療を遠ざけるのは、人権侵害です。
両輪であるべき生活面からのアプローチと医療による服薬加療等々の、そのバランス感覚が極端に狂っている人とは、一緒に仕事はできないです。
5.もう街のなかで暮らせるよ、と言われたひとで街のなかで暮らしたいひとは、街のなかで暮らしたほうがいいよね。って自然に信じてくれるひと
これがいちばん重要かもしれません。これをなんの根拠もなく思い込めているから、自分はくじらを開業しちゃったんだと思います。
当然だけど「いちどでも自分を傷つけたり他者を害したりしたひとは、例えそのリスクが消えようとも、人と関わる暮らしをすべきじゃない」なんて考えるひとは、くじらじゃ働けないです。
おれが信じていることを一緒に信じて、同じ方向へ進めていけるひとがいい。
…これってかっこいいバンドの条件と似てるんですかね。
調子こいた長文になってしもうた。
次に求人だすのはけっこう先の未来だと思うけど、今回の記事コンプリート読みしとけば採用間違いなし、かも。